共同研究・競争的資金等の研究課題
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安定供給と利便性の両立を可能とする過疎地域個別輸送型生活交通サービスの設計
研究課題/領域番号:23K22885 2024年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
喜多 秀行, 瀬谷 創, 野口 寛貴
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
人口が少ない過疎地域においては,個別輸送サービスの採算性と利便性を同時に確保することは容易でない.本研究では,①タクシーと互助輸送を同一料金で統合的に運用し両者の間で収益配分調整を行うという新たな公共交通サービス提供システム「準公共交通空白地有償運送(仮称)」の提案,②現行法制度下における実現可能性の確認と制度化の提言,③サービスの設計手法の構築を行い,“地方部において「安全性」,「低廉性」,「利便性」,「速達性」,「安定供給」をすべて満たす公共交通サービスを持続可能な形で提供することは可能か”との学術的問いに“適切な制度設計を行うことにより可能である”との解を示した.
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共助交通の成立条件:両面市場の視点から
研究課題/領域番号:23K13423 2023年4月 - 2026年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
野口 寛貴
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本年度は,昨年度実施した住民が主体となって運営する移動サービス(以下,共助交通)へのヒアリング調査を下敷きに,1)共助交通の利用意向とドライバー協力意向についての分析,2)共助交通の運営構造を記述するモデルの試作を実施した.具体的に1)では,過疎地域への共助交通導入を想定したSP調査から利用意向とドライバー協力意向を記述するオーダードロジットモデルを構築した.その結果,運賃が安く利用希望時間と実際の利用時間とのずれが少ないことが利用回数に正の影響を与える,謝礼金が高く,必要な時間(勤務時間)が少ないことがドライバー協力意向に正の影響を与える,高齢者ほどドライバー協力意向が低い(その原因として運転技量への自信低下が考えられる),といった知見を得た.そして,この結果を踏まえ,1)地域に存在する高齢者が利用する施設(例:病院や福祉施設)が提供している送迎サービスと共助交通の協同の重要性,2)ドライバーと利用者の待ち合わせ失敗を回避する仕組みの導入必要性を指摘した.2)では,共助交通の運営構造をネットワーク効果の視点から解釈し,運営構造を記述する両面市場モデルを試作した.両面市場モデルは社会ネットワーク生成モデル,利用意向モデル,協力意向モデルから構成される.両面市場モデルは,シミュレーションを通じ,サービス設計案(利用者運賃とドライバー謝礼金)が導く共助交通の運営状況(利用回数・ドライバー引き受け回数・共助交通の維持に必要な補助金額)を予測できる枠組みである.
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住民主導型交通の成立条件:進化生物学と都市・交通計画学の融合
研究課題/領域番号:23KJ0882 2023年4月 - 2026年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
野口 寛貴
配分額:2730000円 ( 直接経費:2100000円 、 間接経費:630000円 )
本年度は、昨年度に実施した「住民が主体となって交通サービスを運営する地域組織」へのヒアリング調査の結果を踏まえ、住民が主体的に地域課題の解決に取り組む活動(以下「住民活動」と呼ぶ)を記述する数理モデルを構築した。本モデルの分析を通じて、住民活動が成立する条件を特定した。昨年度のヒアリング調査では、以下の2点が明らかとなった。その第一は、住民活動への参加を促す要因として「制度連結」が存在することである、その第二は、住民活動の成立は即時的に決定されるものではなく、他者の行動を観察しながら自らの行動を段階的に調整するという、社会学習の過程を経て決定されることである。ここでいう制度連結とは、住民活動と関連づけられた別の制度が、参加への誘因を補完する仕組みを指す。住民活動は、個人の利得が他者の行動に依存する点において、ゲーム論的な状況と捉えることができる。以上を踏まえ、本研究では、制度連結の視点から住民活動を定式化し、進化生物学において自然選択のダイナミクスを記述するために用いられてきたレプリケータ方程式の枠組みを用いて、住民活動のダイナミクスをモデル化した。分析においては、現在実施されている住民活動を維持するために必要な「維持条件」と、新たに活動を開始するために必要な「開始条件」の2点に着目した。これらの条件は、侵入可能性解析の枠組みを用いて特定した。数値計算を行った結果、住民活動の維持と開始の双方に、一定程度フリーライダーを識別できること(社会関係資本と換言できる)が必要であり、その閾値は、住民活動の条件によっては集団サイズ(地域の人口規模と換言できる)により変化することがわかった。