2025/11/20 更新

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ハヤシザキ ノリヨス
林﨑 規託
HAYASHIZAKI NORIYOSU
所属
総合研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所 教授
職名
教授
外部リンク

News & Topics
  • 加速器BNCT用液体リチウムターゲットを開発-都市部病院に設置可能な小型照射システムにめど-

    2012/02/20

    掲載言語: 日本語

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    東京工業大学原子炉工学研究所(有冨正憲所長)と助川電気工業(百目鬼孝一社長)は共同で、陽子加速器によるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に利用可能な液体リチウム型中性子発生ターゲットの開発に成功した。BNCTは副作用の少ない悪性腫瘍(がん)治療法として期待されているが、中性子発生に原子炉が必要なため利用は限定されていた。今回の開発により、都市部の病院への設置も可能になり、BNCTの広範な適用が期待される。また、液体リチウム型ターゲットには、固体型ターゲットの場合に問題とされる、照射損傷による時間的劣化が無いため、長寿命と安定した冷却性能が得られる利点がある。

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 次世代緩和的小線源治療の確立のための新型国産HDR-RALSの開発の検討

    研究課題/領域番号:25K11021  2025年4月 - 2028年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    吉田 謙, 村上 直也, 隅田 伊織, 秋山 広徳, 増井 浩二, 吉村 亮一, 山崎 秀哉, 林崎 規託, 飯島 康太郎, 中村 聡明, 武川 英樹, 姉帯 優介, 武中 正, 小池 優平

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    配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )

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  • 高効率大強度陽子ビーム加速に向けたTE211モード複合加速構造単空洞リニアックの研究

    研究課題/領域番号:23K28357  2023年4月 - 2027年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    池田 翔太, 林崎 規託

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    配分額:18330000円 ( 直接経費:14100000円 、 間接経費:4230000円 )

    本研究は、4ベインRFQ線形加速器とダブルIH-DT線形加速器を組み合わせた、TE211モードSHCリニアックを考案し、低エネルギー領域の大強度陽子ビーム加速における優位性について明らかにすることを目的としている。
    今年度は、TE211モードSHCリニアック原理実証機の開発に向けて、電磁場シミュレーションソフトウェアと粒子軌道計算コードを用いた設計検討を開始した。具体的には、TE211モードSHCリニアックにおいて、50mAの陽子ビームを2.5MeVまで加速可能かの見通しを得るため、RFQセクション、DTセクション各々における粒子軌道計算をおこなった。RFQセクションでは、RFQビームデザインコードを用いて陽子ビームを900keVまで加速するセルパラメータをデザインした。
    DTセクションでは、高い電力効率を維持しつつ50 mA以上の大強度陽子ビームを加速するため、KONASをビーム加速法として採用した。そのため、DTセクションの構成は、上流側からトリプレット四重極電磁石・リバンチセル・加速セル(同期位相:0度)となっている。具体的な計算手順は、KONAS加速法によるドリフトチューブテーブルを作成し、電場シミュレーションソフトウェアにより解析した電場分布データを用いて3次元粒子軌道計算コードでDTセクションにおけるビーム挙動を計算した。以上の計算において、トリプレット四重極電磁石の磁場勾配や、リバンチセルのセル数、加速セルへの入射条件を調整することで50 mAの陽子ビームが加速される結果が得られた。
    RFQセクションとDTセクションを組み合わせた空洞全長は1740mmとなり、これをもとに作成したCADモデルを用いた3次元電磁者シミュレーションにより、加速に用いる共振モード(TE211モード)が励振されることを確認した。

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  • 高効率・高電界加速可能な誘電体アシスト型加速管の研究開発

    研究課題/領域番号:22H03882  2022年4月 - 2026年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    佐藤 大輔, 林崎 規託, 小川 博嗣, 吉田 光宏, 黒田 隆之助

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    配分額:16770000円 ( 直接経費:12900000円 、 間接経費:3870000円 )

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  • 高効率・高電界加速可能な誘電体アシスト型加速管の研究開発

    研究課題/領域番号:23K25136  2022年4月 - 2026年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    佐藤 大輔, 林崎 規託, 小川 博嗣, 吉田 光宏, 黒田 隆之助

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    配分額:16770000円 ( 直接経費:12900000円 、 間接経費:3870000円 )

    本研究は、既存の金属加速管における加速管性能の限界を超える電子加速技術として、高誘電率誘電体の高い電磁場蓄積能力とダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の低二次電子放出係数保護膜技術を用いた誘電体アシスト型加速管(Dielectric Assist Accelerating structure, DAA管)を新たに提案し、既存の常伝導加速空洞の10倍以上高い電力効率を実現しつつ、高加速電界が励振可能であることを実証することを目的とする。
    本年度は、初年度に引き続き、特に高誘電率セラミックスの探索に取り組んできた。DAA管は、使用する誘電体セルの誘電体の比誘電率が高く、誘電損失が小さいセラミックスを用いることで高いシャントインピーダンスを実現できる可能性がシミュレーションより示されている。今年度は、比誘電率が30以上の高誘電率誘電体の評価に主体的に取り組んできた。本研究では、高誘電率誘電体からなるウィスパーリングギャラリーモード誘電体共振器を製作し、高次の共振モードの共振特性を複数測定することで各誘電体材料の複素誘電率測定を実施した。具体的には、複数の共振モードの共振周波数間隔と各モードのQ値を基に複素誘電率を算出した。その結果、比誘電率が30以上で、誘電正接が8×10-5 以下の高誘電率かつ低誘電損失特性を有する誘電体材料で、C-band DAA管の誘電体セルを製作するのに必要な直径80mm以上の大型の誘電体材料を選定した。
    DAA管のマルチパクタ放電の低減を目指した保護膜の探索として合計4種類のダイヤモンドライクカーボン膜をセラミック材料に成膜し、各種評価を実施した。その結果、水素化アモルファスカーボン膜が二次電子放出係数の低減という観点から優れた保護膜としての機能を有する可能性が示唆された。
    ビーム試験に向けて高周波源、立体回路、モード変換器等を整備・組立まで完了した。

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  • 高輝度ミュオンマイクロビームによる透過型ミュオン顕微鏡イメージング

    研究課題/領域番号:17H06126  2017年5月 - 2022年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(S)

    三宅 康博, 永谷 幸則, 吉田 光宏, 林崎 規託, 荻津 透, 大西 純一, 鳥養 映子

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    配分額:207090000円 ( 直接経費:159300000円 、 間接経費:47790000円 )

    透過ミュオン顕微鏡に用いる超低速ミュオンに厚い試料への透過能をもたせるための再加速装置である5MeVミュオンサイクロトロンおよび、サイクロトロンが加速に必要とする108MHz/20kWのRFを供給するRFアンプが完成し、MLFに搬入された。
    また、RFアンプが実際にCW20kWのRFを出力できる事、ミュオンサイクロトロンに実際にRFを供給し、サイクロトロン内部の加速空洞に共振させ、必要な加速電圧が励起される事も確認した。
    さらに、Dee電極のモーター制御装置、供給RFの位相調整器などRF共振を安定して継続させるRFローレベル制御系の開発も行った。
    MLFの安全審査等が完了し次第、いつでもミュオン加速実験に取り掛かれる状態となった。

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  • 再加速ミュオンの量子可干渉性実証実験

    研究課題/領域番号:17H01077  2017年4月 - 2021年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    三宅 康博, 永谷 幸則, 林崎 規託, 吉田 光宏

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    配分額:42640000円 ( 直接経費:32800000円 、 間接経費:9840000円 )

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  • 4ビーム型RFQ線形加速器による高強度重イオンビームの加速制御の研究

    研究課題/領域番号:26246042  2014年6月 - 2017年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    林崎 規託, 池田 翔太, 澁谷 達則, 村田 亜希

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    配分額:41340000円 ( 直接経費:31800000円 、 間接経費:9540000円 )

    空間電荷効果はビーム電流量に比例し,ビーム速度の2乗に反比例することから,高強度の低エネルギー重イオンビームに最も強く作用する性質をもつ。その解決策として,高強度のビームを複数のビームに分割することで空間電荷効果の影響を緩和させ,1台のRFQ線形加速器で同時加速した後に分割ビームを再び統合するマルチビーム加速という技術がある。本研究では過去に開発に成功した2ビーム型に引き続き,4ビーム型のIH-RFQ線形加速器とレーザーイオン源を開発した。

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  • 超低速ミュオン電子顕微鏡用線形加速器の開発

    研究課題/領域番号:26108707  2014年4月 - 2016年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  新学術領域研究(研究領域提案型)

    林崎 規託

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    配分額:8450000円 ( 直接経費:6500000円 、 間接経費:1950000円 )

    超低速ミュオン顕微鏡において,超低速ミュオンビームは最大30keVのエネルギーと1~2nsの時間幅の初期状態から再加速がおこなわれる。これまで検討されてきたRFQ線形加速器による再加速の特長として,後段の線形加速器が必要とするビーム時間構造にあわせて,直流入射ビームをバンチング(集群化)しながら加速できることがあげられるが,そのためのバンチングセクションを内部に有するので加速効率が低く,ある程度の長さが必要とされる。しかし,超低速ミュオン顕微鏡のように,あらかじめパルス化されたビームが入射するのであれば,シングルギャップ型の高周波加速器を利用するほうが,加速器を小型化でき,ビーム通過時間も短縮できる可能性がある。
    平成27年度は,研究実施計画に基づき,前年度製作したシングルギャップ型高周波加速空洞について電力効率向上のための表面処理をおこない完成させた。また,その加速空洞と高周波電源をJ-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に持ち込んで運転するために必要な,安全管理に関する所定の手続きをおこなった。なお,平成27年の4月と11月に発生した中性子標的容器の不具合によりMLFへの陽子ビーム供給が長期間停止したため,超低速ミュオンビームライン(Uライン)における超低速ミュオンの初発生が平成28年2月末になり,その後もビームコミッショニングが続けられていることから,本研究では再加速試験の準備を進めた。これらと並行して,超低速ミュオンを10~30MeVまで加速する,新しいミュオン加速器に関しても検討をおこなった。

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  • 低線量影響における地域参画型リスクコミュニケーション手法の構築

    研究課題/領域番号:25420902  2013年4月 - 2016年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    山野 直樹, 泉 佳伸, 安田 仲宏, 林崎 規託, 松本 義久, 篠田 佳彦, 木下 冨雄, 木村 浩, 北村 正晴, 渡邉 正己, 中島 秀人

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    配分額:5200000円 ( 直接経費:4000000円 、 間接経費:1200000円 )

    福島原子力事故後の低線量の放射線による健康影響に関する、科学的エビデンス、科学のみでは検証できない不確実性及び心理的・社会的影響を考慮し、地方自治体及び地域コミュニティの特性を活かした地域参画型リスクコミュニケーション手法の実践モデルを開発した。敦賀市在住の市民と低線量放射線の健康影響に対する勉強会を開催し、低線量影響ガイドブック初級編の制作を協働して行う社会実験を3年間継続した。
    多様なアクターの効果的な参画とその具体的な実装手法を社会実装ガイダンスとしてまとめ、原子力立地地域である福井県敦賀市を対象とした社会実験を通してその有効性を検証した。

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  • 超低速ミュオン線形加速器の開発

    研究課題/領域番号:24108504  2012年4月 - 2014年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  新学術領域研究(研究領域提案型)

    林崎 規託

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    配分額:10400000円 ( 直接経費:8000000円 、 間接経費:2400000円 )

    本研究では,「A01班:超低速ミュオン顕微鏡と極微μSR法創成」において計画されているビーム尖鋭化に必要な基盤技術として,ミュオニウムをレーザー解離することで得られた超低速ミュオンを1MeV以上に再加速するための,高周波四重極型線形加速器(RFQ)とインターディジタル-H型線形加速器(IH-DTL)から構成される,超低速ミュオン加速器の開発をおこなった。
    平成25年度は,前年度に基本デザインを終えた運転周波数324MHzの超低速ミュオン加速用IH-DTL原理実証機について実機製作をおこなった。その基本構造は,一枚板から全てのドリフトチューブ電極を立体的に削り出したセンタープレートに,半円形のサイドシェルを両側から取り付けるスタイルとなっている。最終デザインの3次元CADモデルから製作図面を描き起こして,精密機械加工メーカーに依頼してセンタープレートとサイドシェルを削り出した。製作後の両者を組み合わせ,ネットワークアナライザーによる高周波測定と,3次元電磁場解析ソフトウェアによるシミュレーションを同時におこないながら,サイドシェルのフランジ部の厚さを削り込んでいき,共振周波数を324MHz近傍に調整して原理実証機を完成させた。今後は,とくに本研究で取り入れた高周波電場の加速位相の符号を交互に変化させて収束する(Alternating Phase Focus: APF)法の成果について配慮しながら,ビーム加速特性やビーム収束特性を評価し,超低速ミュオン顕微鏡やg-2/EDM実験のための実機デザインにフィードバックする予定である。また,新しい超低速ミュオン線形加速器として誘導加速型の検討グループを立ち上げ,高エネルギー加速器研究機構において保管されていた既存のファインメットコアを用いた実機デザインに引き継いだ。

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  • がん治療用高エネルギー重粒子発生ECR-IPAC装置の原理実証研究

    研究課題/領域番号:22659218  2010年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的萌芽研究

    服部 俊幸, 林崎 規託

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    配分額:3000000円 ( 直接経費:3000000円 )

    本研究では、既存のECRイオン源にイオン加速用ソレノイドコイルを追加し、さらに高エネルギー重粒子高感度分析システムを結合して、がん治療用高エネルギー重粒子発生ECR-IPAC装置の原理実証実験をおこなうことを考えた。そのためにはプラズマ・ビームシミュレーションによる設計と部品製作が必要になる。研究代表者による長年のECR重イオン源の研究で得られた、プラズマ中での電子とイオンの関係の知見を取り入れたプロトタイプ装置を検討し、横方向収束用多極磁場も考慮してシミュレーションをおこない、磁場配置を決定するとともに不足する磁場コイルを製作した。このとき、最初の多価イオン発生用ECRイオン源の取り出し側ミラー磁場を、GYRAC電子加速とイオン加速のPLEADE部を共存させる方法をとった。これは生成した多価イオンが低磁場を通りさらに強磁場に入射して、粒子のロスが無いように考えたからである。また、プロトタイプ装置として新しく必要な真空容器やビーム試験用架台を製作した。これらの各構成部品に、過去に開発した高い磁気剛性率をもつ分析磁石を用いた高感度ビーム検出器と飛行時間差検出(TOF)型検出器を備えた測定システムを組み合わせ、実験装置を完成させた。予定よりも設計作業に時間を要したことから、これまでに真空試験と磁場測定を完了し、現在はイオン源部におけるプラズマ生成実験の準備を進めている。今後は引き続き、引き出した重イオンビームのエネルギーや強度の測定、ECR-IPACの加速特性を実験的に解明する予定である。

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  • 大気陽電子顕微鏡の開発

    研究課題/領域番号:21340087  2009年 - 2011年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    大島 永康, 林崎 規託, 黒田 隆之助, 鈴木 良一, ブライアン オローク

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    配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )

    大気中の実環境下において、材料中の原子空孔をその場分析する装置である大気陽電子顕微鏡の開発を行った。実際に試作機を完成させ仕様を明らかにしたことで、大気陽電子顕微鏡実用化の目途を得るに至った。試作機を用いて、パルス化して集束した陽電子ビームを大気中に低速で引き出して、従来には不可能であった大気中実用環境下にある機能性薄膜材料等中の分子間空隙を、陽電子寿命測定法により非破壊的に定量評価することに成功した。

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  • がん治療用炭素6価イオン直接プラズマ入射型複合加速構造IH単空洞線形加速器の研究

    研究課題/領域番号:21390341  2009年 - 2011年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    服部 俊幸, 林崎 規託, 川崎 克則

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    配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )

    がん治療用炭素6価イオン加速複合単空洞(HSC)線形加速器の加速空洞に組み込まれる、高周波四重極(RFQ)とドリフトチューブ(DT)の各加速構造および中間ビームマッチングセクションのグランドベースプレートについて、前年度に引き続き粒子軌道シミュレーションをおこない、最終的な配置を決定した。その結果をもとに3次元電磁場シミュレーションをおこない、製作費節減のために既存の線形加速器の部品を極力再利用することも考慮しながら、HSC線形加速器の全体デザインを決定した。新しく製作が必要とされた電極部品や高周波部品を取り揃えたあと、加速空洞を組み立て、電磁場特性を測定した。高精度を実現する加工方法を考案・導入した結果、共振周波数やQ値は非常によくシミュレーション結果を再現した。加速電場分布に関しては部分的に差異が生じたが、想定していた範囲内であり、あらかじめ準備していたL型チューナーで解決することができた。レーザイオン源の技術開発は、ルーマニア・サピエンタ大学の海外研究協力者グループを中心とした国際共同研究によりおこない、エミッタンスなどのビーム計測が必要なため、測定機器を同大学に運び込んだ。また、同大学での研究成果をもとに、本研究に使用するYAGレーザイオン源を設計製作した。そして、線形加速器本体、高周波電源、真空排気系と組み合わせ、加速特性試験装置を完成させた。これらの成果は平成22年に開催された加速器国際会議(IPAC'10)や線形加速器国際会議(Linac'10)など、国内外の学術的会合で発表をおこなった。

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  • 加速器中性子捕捉療法照射システム用の液体リチウム中性子発生ターゲットの開発

    研究課題/領域番号:20240054  2008年 - 2010年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    古林 徹, 有冨 正憲, 高橋 実, 林崎 規託, 片渕 竜也, 中川 順達, 田中 憲一, ジェラード ベングア, 服部 俊幸, 井頭 政之, 山本 哲哉, 中村 博雄, 麻川 博良, 石原 信二

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    配分額:50050000円 ( 直接経費:38500000円 、 間接経費:11550000円 )

    がん細胞を選択的に治療できる特徴を持つホウ素中性子捕捉療法を、加速器を用いて行う時に必要な、安定で長寿命の中性子発生ターゲットを、液体リチウムを用いて実現できる見通しを得た。入射エネルギー2MeV、電流20mA、直径3cmの陽子ビームを用いて、^7Li(p,n)^7Be反応中性子が利用可能な液体リチウム流(40kWの発熱を除去できる流速30m/s、幅50mm、長さ50mm、厚み0.5mm)を、湾曲板表面に沿わせる方式で安定形成できることを実験的に確認した。実験を通じて、液体リチウム中性子発生ターゲット設計製作に有用な情報を収集した。

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  • 中性子捕獲ガン治療(BNCT)用複合加速構造IH単空洞線形加速器の研究

    研究課題/領域番号:19390315  2007年 - 2008年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    服部 俊幸, 林崎 規託, 川崎 克則

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    配分額:18850000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:4350000円 )

    都市部の病院に設置可能な、中性子捕獲がん治療(BNCT)用複合加速構造IH単空洞線形加速器の基礎的研究を行った。研究対象の複合加速構造IH単空洞線形加速器は、高周波四重極(RFQ)型とドリフトチューブ(DT)型の2種類の加速電極構造を1つの空洞内部に挿入することで小型化・省電力化を実現する。しかし、そのまま単純に組み合わせただけでは各種の高周波電磁気的な問題が発生するため、3次元電磁場シミュレーションにより基本特性を評価し、さらにプロトタイプモデルを開発してシミュレーション結果との比較検証をおこなった。また、ルーマニア・サピエンタ大学とBNCT用大強度陽子イオン源の共同開発を行った。これらの成果より、長さが3m程度で高周波消費電力が100kW以下の、複合加速構造IH単空洞線形加速器を用いたBNCTシステムの実現可能性が確認された。

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  • マルチビーム型RFQリニアックによる大強度イオンビームの加速制御に関する研究

    研究課題/領域番号:18684006  2006年 - 2007年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(A)

    林崎 規託

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    配分額:29900000円 ( 直接経費:23000000円 、 間接経費:6900000円 )

    本年度は,平成18年度に製作したマルチビーム型IH-RFQリニアックのためのレーザーイオン源開発と,ビーム加速試験を中心に研究を展開した。まず,マルチビーム型IH-RFQリニアック本体の開発については,製作したプロトタイプ機についてネットワークアナライザを使用した低電力試験や真空試験をおこない,電気的特性や真空特性が問題ないことを確認した。高周波増幅器には既存装置を利用する計画であったが,制御系システムが旧式で本研究用に対応しなかったため,新しく高周波電源用制御ユニットを整備し,高周波電力増幅器の動作確認とあわせて現地調整を実施した。マルチビーム対応レーザーイオン源の開発については,ミラー系などの詳細検討結果をもとに,ダブルビーム型を新しく設計・製作した。そして,既存のイオン源テストベンチを利用して,ビーム電流量やビーム波形など基本特性の測定をおこなった。また,ビーム出射系として通常のシングルビーム用の偏向電磁石やビームモニターは使用できないため,静電偏向分析器やマルチビーム対応のファラデーカップなどを新しく製作した。レーザープラズマ直接入射法を利用する本研究では,イオン源と加速空洞が直結されるので,ビーム入射系に関しては不要である。そじて,レーザーイオン源,プロトタイプ機およびビーム分析系を組み合わせてビーム加速実験システムを完成させ,現在は総合試験の実施中である。これらの研究成果については, The 9th European Conference on Accelerators in Appl ied Researchand Technology (ECAART-9)や,日本原子力学会などにおいて報告をおこなった。

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  • 重イオンがん治療用超小型直接プラズマ射線形加速器の研究

    研究課題/領域番号:17390328  2005年 - 2006年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    服部 俊幸, 林崎 規託, 岡村 昌宏

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    配分額:15300000円 ( 直接経費:15300000円 )

    既存の粒子線がん治療装置は,20世紀に開発された加速器技術により建設されて利用に供されている。そのため装置全体が大型化かつ複雑化しているのが現状である。2000年代初めに開発された最新の加速器技術である,直接プラズマ入射法(Direct Plasma Injection Scheme)とドリフトチューブ線形加速器におけるAPF(Alternating Phase Focusing)法を積極的にがん治療装置に取り入れ,その入射線形加速器への利用を試みた。
    直接プラズマ入射型レーザーイオン源について,気体と固体をターゲットとした場合の開発研究をおこなった。YAGレーザーとクライオクーラーの組み合わせにより良好な結果が得られたため,各種の国際ジャーナル誌および国際会議で報告した。また,既存の2MeV/u重イオン加速試験用APF-IH線形加速器を利用して,直接プラズマ入射法による実験を試みた。軌道計算を詳細におこなうと,加速アクセプタンスを高くするには大きな改造を必要とすることが分かったが,予算の関係で小改造にとどめた。直接プラズマ入射法の利用によって入射エネルギーが低い場合,APF-IH収束による大強度加速では大きなアクセプタンスを期待出来ないことを明らかにした。その改善策として,低エネルギー領域での入射加速に優れたRFQ型と,中エネルギー領域での加速に優れたAPF収束ドリフトチューブ型の2つの加速構造を1台のIH(Interdigital H)空洞に挿入する新しい線形加速器を考案した。この複合加速構造型単一IH空洞線形加速器について,各種の国際ジャーナル誌および国際会議で報告した。

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  • 原子力分野における技術と社会の相互作用に関する体系的研究

    研究課題/領域番号:16360471  2004年 - 2006年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    鳥井 弘之, 藤井 靖彦, 山崎 正勝, 中島 秀人, 澤田 哲生, 林崎 規託

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    配分額:11600000円 ( 直接経費:11600000円 )

    科学技術と社会の両者が相互に影響を与えながらダイナミックに変化するという意味で両者の関係を共進化と位置づけた。まず、科学技術と社会の相互関係を考えるためのブレインストーミングを重ね、それに関連するキーワードを抽出した。また、両者の間に健全な共進化が起こるための条件を検討し、科学技術側の課題と社会側の課題を明らかにした。科学技術側の課題として「説明責任」を取り上げ、科学技術における説明責任とは何かについて検討し、検討の結果に基づいて社会調査を実施した。調査結果を見ると、社会の多くの人が原子力の必要性に関する説明を求めていることがわかった。社会調査の結果を受けて、研究者が説明責任についてどう考えているかという調査も実施した。また、社会側の課題として科学技術リテラシーが重要であることを確認し、科学技術リテラシーを獲得するプロセスを解明するために、高校生に対するアンケート調査をおこなった。様々な興味の対象などから子供達を大きく7つのクラスターに分類できることがわかった。さらに人々の科学技術リテラシーを向上するために科学技術コミュニケーターの役割が大きいことに注目し、コミュニケーターが備えるべき資質について明らかにした。さらに、共進化が起こる場としてリスクコミュニケーションを取り上げた。具体的には、放射性同位元素処分事業の拡張に伴うリスクコミュニケーション、フィンランドなどにおける高レベル放射性廃棄物処分場の決定過程でのコミュニケーションをケーススタディとして検討した。

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  • APF型小型ガン治療装置の研究

    研究課題/領域番号:15390358  2003年 - 2004年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    服部 俊幸, 林崎 規託, 川崎 克則, 岡村 昌宏, 北川 敦志

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    配分額:14600000円 ( 直接経費:14600000円 )

    がん治療装置入射器の初段部において,大強度重イオンビームを簡便・安定に確保するための機構として,直接プラズマ入射型RFQパンチャーを開発し,重イオンがん治療に必要な炭素イオンビームの大強度加速実験をおこなった。前年度に本補助金により加速電極の製作をおこなった直接プラズマ入射型RFQバンチャーに,既存備品の炭酸レーザーイオン源を組み合わせたビーム加速実験装置を整備し,平成16年7月に世界初となる50mAの大強度炭素イオンビームを100keV/uまで加速することに成功した。その実験結果は同年8月に理化学研究所よりプレス発表され,第1回日本加速器学会年会,ドイツで開催されたInternational Linac Conference(Linac2004)においても報告された。また,日本加速器学会誌からの寄稿要請に応じ,同誌に速報が掲載された。さらなる重イオンがん治療用加速器の小型化のためには,価数の高い炭素イオンの生成・加速が重要であるため,新しくYAGレーザーイオン源を用いたシステムを検討し,事前実験によりC^<5+>,C^<6+>の大量発生に成功した。そして,現在は直接プラズマ型RFQパンチャーと組み合わせた加速実験を続行中である。
    また,がん治療用入射機の1/3程度の加速エネルギーをもつテスト機として,炭素イオンを2MeV/uまで加速するAPF-IHリニアックの開発をおこなった。本補助金により整備されたテスト2MeV/uAPF-IHリニアックを用いて,平成16年10月に低電流陽子ビームの加速に成功した。がん治療用入射器としては,これまでのRFQリニアックとアルバレリニアックの組み合わせが利用されてきたが,これらの研究成果を受けて,RFQリニアックとIH(APF-IH)リニアックの組み合わせが,放射線医学総合研究所が進めている普及型がん治療装置の開発において採用され,ドイツにおいても計画が進んでいる。

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  • 超小型高エネルギー重イオン加速器ECR-IPACの原理実証機の研究

    研究課題/領域番号:15654034  2003年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  萌芽研究

    服部 俊幸, 野田 耕司, 林崎 規詫

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    配分額:3400000円 ( 直接経費:3400000円 )

    ECR-IPAC型重イオン加速器について,電磁場計算プログラムPOISSONにより直流型ソレノイドコイル,パルス型ソレノイドコイル,鉄磁極の配置最適化を主体にした全体設計をおこなった。装置製作にあたっては,高周波電源類は既存備品を使用し,ソレノイドコイル類は別予算で製作をおこなった。現在は,各部品の組み立てをおこない,本補助金で購入した真空排気装置を取り付けて,重イオン加速の原理実証の準備段階にある。これらの研究経過については,東京工業大学原子炉工学研究所所内公募研究成果報告会で報告した。また,今後の実験結果をもとに,平成17年度科学研究費補助金(基盤研究AまたはB)に申請する予定である。
    なお,この研究過程から「周波数変調電子加速型ECRイオン源」という新方式のイオン源について着想し,平成16年度科研費萌芽研究に「FM電子加速型ECRイオン源の原理実証機の研究」として申請した。同様にして,電子のパルス磁場加速による新方式のECRイオン源の発想も生まれ,「ジャイラック加速電子型ECRイオン源」として,前者とあわせて特許申請を準備中である。これらの研究過程および成果は,粒子線がん治療用加速器に関する共同研究報告会で報告をおこなった。

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  • 医療用放射性同位元素生成実用型APF-IH線形加速器の研究

    研究課題/領域番号:12490013  2000年 - 2002年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    服部 俊幸, 小栗 慶之, 林崎 規託

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    配分額:13400000円 ( 直接経費:13400000円 )

    イオン線形加速器は他の加速器と比較して加速電力効率が低いことから,大出力の高周波源を必要とするため,これまで基礎研究には使用されても,ほとんど医療や産業用としては利用されてこなかった。しかしながら,本研究代表者の服部等が開発研究を進めているInterdigital-H(IH)型線形加速器では,イオンエネルギーが10MeV/u以下の領域で,他の線形加速器と比較して加速電力効率が5〜20倍以上であることが分かってきた。この特長を小型医療・産業用加速器の開発に積極的に応用可能なことに着目し,なかでも医療用放射性同位元素(RI)を生成する,小型で信頼性の高い実用機にIH型線形加速器を発展させることが本研究の目的である。
    そして本研究では,東工大原子炉研が保有しているIH型線形加速器を,粒子軌道シミュレーションの結果をもとにAlternating Phase Focus(APF)構造に改造し,本補助金で購入した高周波源を用いてビーム加速試験をおこなうことにより,その加速特性について明らかにした。その成果については,平成13年度にECAART-7(欧州応用加速器国際会議)で発表した。また,医療用RI生成のため重陽子および3重陽子の加速試験は,放射線遮蔽環境の良好なルーマニア物理核工学研究所(IFIN)で実施することを計画し,平成14年度に加速空胴,イオン源,分析電磁石等を輸送した。高周波電源設備等については,IFIN保有設備の協力を受ける。そして陽子加速特性も含めて,実用機としての性能評価をおこなう予定である。

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