2025/09/30 更新

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アイカワ キヨタカ
相川 清隆
AIKAWA KIYOTAKA
所属
理学院 特定准教授
職名
特定准教授

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 単一浮揚ナノ粒子に対する電子顕微鏡の開発

    研究課題/領域番号:22K18688  2022年6月 - 2025年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

    相川 清隆

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    配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )

    今年度は、浮揚ナノ粒子に対するイオン顕微鏡を実現するための真空槽および原子イオンを生成・観測するための光源の作成に取り組んだ。真空槽としては、ナノ粒子を捕捉するためのレンズやカルシウムイオン線源を取り付けた小型のチャンバーを製作した。また、カルシウムイオンを生成・観測するための4種類の光源(主冷却光、リポンプ光、2種類の光イオン化光)を作成し、単一周波数での発振を確認した。
    一方、既存の実験装置を用いた研究においては、ナノ粒子の3次元的な形状観測を光学的に行う手法を突き詰め、異方的なポテンシャル中におけるナノ粒子の回転振動の周波数から、楕円体を仮定した場合のナノ粒子の半径比を精密に決定する手法を確立した。さらに、基底状態付近まで重心運動を冷却したナノ粒子の速度を飛行時間法によって測定すると、楕円体からのずれによって回転振動と重心運動が結合しているために、速度分布の幅が広がること、この広がり方から楕円体からのずれの大きさを見積もることができることを、それぞれ初めて明らかにした。これらの成果は、2本の論文として発表した。今回得られた成果は、元々本研究で想定していた、電子線もしくはイオン線によってナノ粒子の形状観測を行う手法とは全く別のアプローチによって形状を推測する手段を確立したものであり、本研究の内容と相補的な役割を果たし、将来的に相互に観測結果を比較することで、それぞれの観測結果の正しさを検証する道を拓いた。

  • 真空中の単一ナノ粒子による巨視的重ね合わせ状態の研究

    研究課題/領域番号:19H01822  2019年4月 - 2022年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    相川 清隆

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    配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )

    まず、光学系および真空系からなる新しい装置を作成し、光格子中の単一荷電ナノ粒子を電場フィードバックによって基底状態付近へ冷却する技術を開発した。この際、レーザーの位相ノイズによって光格子中のナノ粒子の運動が加熱される効果を初めて観測し、レーザーの位相ノイズの低減などの工夫によって、この効果を無視できるほど小さくできることも示した。さらに、ナノ粒子の運動量測定を行うための飛行時間法についても検討を行い、荷電ナノ粒子は残留電場の影響により飛行時間法では運動量測定が困難であることを見出した。この問題を解決すべく、ナノ粒子を中性化する手法およびこれを基底状態へと冷却する新しい手法を開発した。

  • 超低速コライダーによるナノ粒子衝突ダイナミクスの解明

    研究課題/領域番号:16H06016  2016年4月 - 2019年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(A)

    相川 清隆

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    配分額:24960000円 ( 直接経費:19200000円 、 間接経費:5760000円 )

    本研究では、真空中において赤外レーザー光で作られた光格子中にナノ粒子を捕捉し、その3次元的な運動を精密に観測する実験装置を製作した。この装置において、真空中のナノ粒子は50~200素電荷程度の大きな電荷を持ち、振動電場によりその運動を制御しやすいことを明らかにした。また、単一荷電ナノ粒子を光学的に観測し、その振動振幅が減衰するように電場にフィードバックを与えることで、ナノ粒子の重心運動を3次元的に超低温へと冷却する効率的な手法を実現した。同時に、捕捉されたナノ粒子の質量や帯電価数を正確に測定する手続きも確立した。

  • 真空中でのレーザー捕捉を利用したナノ粒子の組成選別

    研究課題/領域番号:16K13857  2016年4月 - 2019年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的萌芽研究

    相川 清隆

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    配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )

    本研究では、真空中において光格子中に少数個のナノ粒子を捕捉し、その運動を精密に観測する実験装置を製作した。様々な材質のナノ粒子を大気圧で捕捉できることを示すと共に、従来研究で扱われてきたシリカ以外のいくつかの材質についても真空へと移行できることを見出した。また、真空中での振動周波数が材質によって異なることを示し、ナノ粒子の非破壊組成分析の原理を実証した。想定外の成果として、2個のナノ粒子が同一光格子内に捕捉されると、大気圧下であっても互いの周りを軌道運動する現象を発見し、この現象が既知の放射圧に基づく発振現象とは大きく異なる性質を持つことを明らかにした。

  • 新奇物性開拓に向けた真空中の超低温ナノ粒子系の実現

    研究課題/領域番号:15H06199  2015年8月 - 2016年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  研究活動スタート支援

    相川 清隆

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    配分額:1430000円 ( 直接経費:1100000円 、 間接経費:330000円 )

    本研究の目的は、ナノサイズの固体試料を真空中にレーザーで捕捉し、その内部温度を超低温まで冷却する新しいタイプの冷凍機を実現することにある。今までにないこのような技術を創出するため、本研究ではまず真空槽とその中に入射するレーザー光を分配する光学系、およびナノ粒子を観測するための光学系からなるプロトタイプの装置を製作した。
    従来研究では、ナノ粒子の材質としてシリカ(SiO2)を用いたものがほとんどであったが、本研究では粒子内部の温度を評価するために、フォトルミネッセンス分光のしやすいバンドギャップの小さな材質からなる粒子を扱う。この場合、トラップ光の波長がバンドギャップと近くなり、トラップ光を散乱しやすくなることから、トラップ可能であるかどうか未知であったが、本研究により、シリカではない5つの材質のナノ粒子をトラップできることを初めて示した。これにより、装置として様々な材質の粒子を扱えることを示すと共に、フォトルミネッセンス分光による粒子内部の温度測定という目的にむけた重要な基盤が得られたことになる。
    また、本研究を進める中で、ナノ粒子の安定した捕捉には、入射ビームをミラーで打ち返す必要があることを見いだした。これは、打ち返しにより光格子が形成されてトラップ光の作り出すポテンシャルが4倍の深さになると共に、粒子がトラップ光の散乱により一方向から受ける力をほぼ除去できるためであると考えられる。光格子という従来研究にない特徴の結果、複数の粒子が光格子の異なる位置に別々に捕捉されることを見いだした
    これらの結果を踏まえ、ナノ粒子の内部状態の冷却の予備段階として不可欠な重心運動の冷却に向けて、その鍵となるナノ粒子の運動の直接観察に成功した。